チョークレビュー

チョーク(白墨)を愛する人のチョークレビュー

6.--日本白墨--天神印チョーク(きぬごし製) ※硫

【ギャラリー】





情報がたくさんあります。コーティング剤が練り込み式、運筆滑らかで指への負担がありません…なるほど。



カラーユニバーサルデザイン、見やすさにも配慮している内容が書かれた文も同梱されています。力の入れようを感じます。



毎度、数本使用してからの写真なので、美しさがありません。
写真撮る前に、嬉しくて、どんな書き味なのか待ちきれなくて、出して使ってしまうのです。




天神印チョークのエンドは、出っ張りではなく凹んでいます。これもいいですね。
表面の細かい気泡のような凹凸が気になります。


---------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------


【基本データ】
メーカー:日本白墨
所在地:埼玉県三郷市
商品名:天神印チョーク(きぬごし製)
原料:焼き石膏(硫酸カルシウム)
※炭酸カルシウム製としては「天神印セラミックチョーク」があり。
状況:販売中


入数:100本
価格:583円(2021年時点)
1本:5.8円


1本の重さ:6.0g
1本の長さ:7.9cm
1本の太さ:直径1.1cm


---------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------


【3段階評価】
完全なる主観により、A~Cの3段階で評価


①持ちやすさ A
※標準的なサイズです。ニューポリより1g程度重いので、両手に持って比べると重さを感じますが、特に不便を感じることはありません。


②書きやすさ B
※炭酸カルシウム製に比べたら柔らかいのですが、ニューポリの柔らかさ、しっとり感がありません。比べると、乾いている感じの書き味です。「運筆が滑らかで、指への負担が有りません」の文言ですが、滑らかを追求した最高峰チョークは、羽衣のフルタッチです。これは絶対に揺るぎないものです。原料の違いを加味し、硫酸カルシウム製の中で考えると、こちらはニューポリに軍配です。ニューポリのしっとり(ねっとり)感には、残念ながら及びません。とはいえ、羽衣文具は引退済なので、現役チョークの中では、上々です。


③折れにくさ B
※特筆すべきことのない、平均的な折れにくさです。硫酸カルシウムなので、力を籠めればすぐに折れます。


④手の汚れにくさ B
※見た目はコーティングなしなのですが、以下の要領で手に付きにくい加工が施されているようです。
《従来の表面コーティングとは異なり、原料の攪拌時に特殊コーティング剤を混入する加工方法で、これにより石膏チョーク 使用時の粉の付着や飛散を大幅に低減するものです。》(ホームページより引用)
しかし、物理的に樹脂などでコーティングするには勝らないようで、全く手が汚れないというには至りません。コーティングなしのチョークに比べたら、もちろん汚れにくくはなっています。


⑤粉の少なさ A
※上記の通りの加工により、確かに粉は少ないです。これは掃除の時に助かる…と思いましたが、いや、少なからず粉は出ますので、粉受け部分は汚れます。粉が出ないチョークは、物理的にありえません。飛散という点では粉が少ないので、汚れにくいです。だからか、減りも少ない気がします。


⑥消しやすさ A
※消した時に、黒板に跡が残りません。特に炭酸カルシウム製に多い、「色ははっきり乗るけど、消しても傷ついた跡が暫く残る」ことがありません。硫酸カルシウム製の中でも、字も、跡も消えやすい部類です。



合計 15/18点


A=3点として計算
最高の合計点は18点


---------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------


【レビュー】
とても力を入れているんだなあというのが、ホームページからも、箱などからも伝わってきます。元気なチョーク工場は嬉しいです。元は大正時代の文化チョーク、戦中に日本白墨に社名変更しています。由緒もあり、しかし時代の流れに上手く乗って新しい製品を出し続けている、関東埼玉のチョーク会社です。天神チョークなので、福岡かと思いきや、天神様(菅原道真公)にかけているようでした。しかし、福岡の天神=天神様=菅原道真公なので、同じか。もともとは菅公チョークとも言ったそうなので、菅原道真公にかかっていることは間違いありません。戦前の教育に必須のチョークだから、学問の神様にかけたのでしょうか。
とにかくホームページがいいです。さらに、某動画サイトに工場見学動画があるので、手元の天神チョークがどんな風に出来上がって来ているのかを知ることができるのも、好感度と愛着が沸く大きな要因になっています。(わたくしだけか)
そしてなんと、手作りチョークができちゃうキットも販売しています。しかもこのご時世、2021年1月から…元気な企業です。
ホームセンターや文具店で探しているのですが、未だ手に入らず。



さて、天神印チョークです。
なお、天神印のチョークにも、硫酸カルシウム製と炭酸カルシウム製があり、これは炭酸カルシウム製(焼き石膏)です。硫酸カルシウム製は、天神印セラミックチョークです。


上の項目にはありませんが、色の乗りと白の発色がきれいです。勝手に言葉を作っていますが、色の乗りが悪いとかすれた感じになります。直線を引いても、スカスカな線になってしまうと、遠くから見にくいですが、天神印チョークはそこそこの色の乗りをします。白色の発色についても同様で、遠くから見た時に、パッと目に入る鮮やかな発色です。この辺り、同梱の紙に書かれていた「カラーユニバーサルデザイン」なんでしょう。万人が見やすいチョークです。
どうでもいい内容ですが(どれもどうでもいいが)、チョーク表面の見た目は細かな気泡のような凹凸があり、見栄えはよくないです。同じ硫酸カルシウム製のニューポリは、凹凸こそあるものの、ここまで細かく多くないので、その辺りの美しさも兼ね備えていたんだなあと思ってみたり。何分、盲目の羽衣信者なので。

×

非ログインユーザーとして返信する