チョークレビュー

チョーク(白墨)を愛する人のチョークレビュー

1.--羽衣文具--ニューポリチョーク ※硫

【ギャラリー】










自分の中で、チョークの箱といえばこの箱。
外箱の「羽衣チョーク」の字体も素敵ですね。
新しいタイプのポリ(チョーク)ですが、便宜上「ニューポリ」と表します。



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【基本データ】
メーカー:羽衣文具
所在地:愛知県春日井市
商品名:ニューポリチョーク
原料:焼き石膏(硫酸カルシウム)
状況:廃業に伴い生産終了


入数:100本
価格:825円(2015年時点)
1本:8.25円



1本の重さ:5g
1本の長さ:7.8cm
1本の太さ:直径1.2cm


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【3段階評価】
完全なる主観により、A~Cの3段階で評価


①持ちやすさ A
※個人的にチョーク=ニューポリなので、しっくりきます。それでなくとも、この長さ、太さは万人受けすると思いますけれど。


②書きやすさ A
※しっとり柔らかな書き味なので、滑らかさはありませんが、太く、濃く、遠くからでもはっきり読める字が書けます。箱にも書かれている通り、「やわらかい感じ」は、持っても書いても納得、よく分かります。


③折れにくさ B
※少し力をこめると折れます。落としても簡単に折れます。比較的密度の低い硫酸カルシウム製なので、これは当然ですね。


④手の汚れにくさ A
※先端を除く持ち手部分には、黄色っぽい色味のコーティングがあります。この部分を正しく持って書いていれば、最後まで手は汚れません。


⑤粉の少なさ A
※個人的には、硬いタッチの炭酸カルシウム製から出る粉より、柔らかい硫酸カルシウム製の粉の方があまり気になりません。黒板や、ラーフルとの相性もあるので一概には言い切れませんが。


⑥消しやすさ B
※太く、濃く書けるがゆえに、1回では字を完全には消しきれません。黒板消し係からはあまりよく思われないチョークですが、相対的に、もっと消しにくいチョークもあります。まあ、太字になることに加えて個人的に筆圧が中々強いことにも因りそうですが。



合計 16/18点


A=3点として計算
最高の合計点は18点


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【レビュー】
羽衣チョークの特徴として、チョーク1本ずつへの印字が挙げられます。他のチョークに社名等の印字はないので、ブランド感というか、選ばれしチョーク感というかなんというか。
このニューポリチョークには、黒インク、筆記体ではない太めの字で「Hagoromo」と書かれています。丸っこいHもかわいい。
同じ羽衣チョークでも、先代のポリチョークや、別系統のフルタッチ、フルタッチロングなど…それどころか製造年によっても、それぞれ印字、刻印、JISマーク付きなど様々異なるのもまた、収集癖をくすぐります。


太字が書ける硫酸カルシウム製チョークにおいて、書きやすさは抜群です。粒子が不揃いだとボソボソした字になり、スカスカだと色飛びするなど、品質によってはなかなか扱いづらい、書きづらいのが硫酸カルシウム製ですが、ニューポリにおいてその心配は全く必要ありません。最後まで気持ちよく使い切ることができます。
誰が言い始めたのか、「チョーク界のロールスロイス」なるフルタッチチョークは炭酸カルシウム製です。硫酸カルシウム製チョークとは土俵が違いますので、あちら(炭カル)の頂点がフルタッチなら、こちら(硫カル=焼き石膏)の頂点はニューポリでしょう。つまり、羽衣文具が最強だということです。最強なのに廃業とは、多少矛盾しますが、需要減少、後継者問題、安価な他製品の台頭などにより、2015年3月、その歴史に幕を閉じました。詳しくはWikiへ。


確かに、チョークなんて黒板に書ければいいわけですし、書いたしばらくの後に消し、また書いて消すわけなので、安ければ安いほどいいという見方も強ち間違いではないのですよね。
でも、たかがチョーク、されどチョーク。同じ45分の授業を始めるにも、羽衣チョークで挑むか、それ以外の(特に安価な)チョークで挑むかでは、こちらの気分が大きく変わります。あ、別に子どもたちへの態度や言動が変わるわけではないですよ。ただ、気持ちよく書けるか、そうでないかの気分というかなんというか・・・伝わる人には伝わると思います、この気持ち。羽衣チョークを使ってみれば、「安物買いの銭失い」という言葉の意味をよく理解できると思います。とはいえ、羽衣チョークだって、当時はそこまで高かったわけでもないのですよ。今となってはですが。最後の最後まで使いたいチョーク、羽衣チョーク。


そんなわけで、まずは思い入れの強い羽衣文具のニューポリチョークを紹介しました。
誰が読むのか、誰も読まない気しかしませんが、趣味の記録としてのんびり続けていきます。。。と思ったら、さっそくお一人読者になって下さったようです。ありがとうございます。よろしくお願いいたします。

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